「それ……マジで言ってんの?」


誠は放心したみたいに言った。


「なッ、こんな事で嘘つくわけないでしょ!」


「ホントに?マジで?」


「ホントにホントでマジだよッ」


それでも疑う誠に、恥ずかしさから少し自棄になって言った。


もうッ、何回も言わせないでよ!


またあたしは顔を背けた。


「あの……そんな事言われたら、待てないんだけど」

「へッ?わッ……」

腕をグイッと掴まれ体勢を崩したあたしは、そのまま後ろへ倒れ……





はしなく、ポスッと、恐らく誠の胸に納まった。


「えッ、あッ、あのッ……」

心臓が跳びはねて、全身が熱くなって、あたしは動けなくなった。


「なぁ、俺じゃダメ?霧島の事なんか忘れさせてやるから」


誠の甘い声と吐息が、耳にかかった。


――誠……


耳が熱い。

ドキドキして息ができない。


あたし、ホントにホントにどーしちゃったんだろ……

胸がきゅうぅってなって、何だか涙が出そう。



「……誠」


勇気を出して振り返ると、目の前には真っ赤な誠の顔があって。


至近距離で目が合った。


でも、目がそらせなくて。