「叶一は、あいつの作ったハンバーグが大好きで……他のは絶対に食べなかったんだ。あいつのと、のぞみチャンの作ったの以外は」




おばさんと、あたしが作ったの以外……。



叶チャンって、ただハンバーグが好きなわけじゃなかったの?




「のぞみチャン、ハンバーグ作るの、よく手伝いに来てくれてたな」



ボーッと考え込むあたしに、おじさんは爽やかに笑った。


いつものおじさんの微笑みに、あたしはようやく、久しぶりに微笑み返す事が出来た。






あたしはいつからハンバーグを作るようになったのか、そのいきさつとかはやっぱり思い出せないけど、たった一つの料理がとても大切なモノに思えて……



あたしと叶チャンの家族を繋ぐ絆、記憶、思い出なんだろう。



それを思い出せないあたしは後悔するのだけど……





おじさんとおばさん、それにきっと叶チャンの中には、温かい想いとして、残っているのかな……