「はぁ〜ぁ」


「そんなに美姫が恋しいんだ」


誠はシャーペンを指でクルクルと回しながら苦笑した。


「まぁねぇ」


「前家の前で会ったんだけど、友達と一緒だったな」


「えッ、そーなの!?」



美姫、友達いたの!?

って、あたしかなり失礼!?


「同級生って言ってたな。確か名前は……綾って子」


「そーなんだぁ」



美姫、友達できたんだ。


何だか自分の事の様に嬉しい。



「“のぞみサンみたいに、しつこく友達になりたいって言ってきたから、仕方なくなってあげたの、フフン”とか言ってたな」


「あッははッ!マジでぇ」


そう言ってる姿がもろに想像出来て、思わず吹き出してしまった。


誠もその時の光景を思い出したのか「マジで」と言って苦笑している。




そんなあたし達の笑いを遮る様に、あたしの携帯が着うたを鳴らし、着信をしらせ始めた。


バッグから携帯を取り出すと、電話は結夢からだった。




いきなり電話してくるなんて珍しい。

どーしたんだろ。



あたしは誠に一言「結夢から」と言い、電話に出た。