「てかさ、昨日…ありがとうね。誠のお蔭で元気出たよ。ホントありがとう」

精一杯の感謝の気持ちを込めて、頭をペコッと下げた。

「じゃ、それだけ」

「え、のん?」

頭を上げて、誠の反応も見ずに自分の席へと戻った。

あたしなりの、ちょっとした照れ隠しだった。


これ以上調子狂わされたらたまんないしね。

誠なんかにドキドキするな、あたしの心臓!



席に戻ると、相変わらずあたしの前の席を勝手に自分の席にしちゃってる結夢が

「のんからアイツに話し掛けるなんて珍しいねぇ」

と、ニヤニヤ見ていた。


てかそこ田宮クンの席だから!

てなツッコミはやめにして、妄想に花を咲かせてる結夢に言い訳をした。


――言い訳!?

いや、説明ね。