「誠ぉ!おはよう♪」


いつもの様に家の前まで迎えに来てくれている誠に、あれからずっと深夜まで家族会議をしていたにも関わらず、あたしは元気に挨拶をした。


「おはよう。のん、元気になったみたいだな」


あたしが誠の元まで早足で行くと、誠はあたしの手を取って歩き出した。


「うん。色々心配かけてごめんね……誠のお母さんにね、色々話聞いてもらったの」


「……そっか」


明るいあたしの声とは反対に、誠は少し暗い顔をして俯いた。




元気ない?




「どーしたの?」


「いや、何か……俺、何も出来なかったなって思って、のんが辛い時……ごめんな」


誠はそう言って、寂しそうに笑った。




……あ

誠は、頼られてないって思っちゃったのかな。


何も相談しなかった事、気にしてるのかな。



「ううん!誠にはいつも心配かけちゃって……たまには自己解決しなきゃって頑張ったんだけど、結局誠のお母さんに頼っちゃった……」



何と無く家の問題を誠には話せないって思った事は、悟られちゃいけない。


「のんが元気になって良かったよ」

誠はまた、寂しそうに笑った。