「つ、付き合ってないよ」

あたしは苦笑いしながら、もう一度早川サンに言った。



そいえば……

今気付いたけど、叶チャンの事呼び捨てじゃなくなってる。


早川サンは誰かを呼び捨てにしたりは、あまりしない娘だったな。


好きな人には、特別だったみたいだけど。



早川サンの叶チャンに対する呼び方で、もう叶チャンを何とも思ってないって事がうかがえた。




「あ、そっか、叶一クン……」


早川サンは何かを言いかけたのに、あたしの顔を見て口をつぐんだ。


「何?」


「んー、三崎サン彼氏いるし、言わない方がイイのかなぁ」


何だろう。


あたしに彼氏がいると言えない事?


「あたしなら大丈夫だから、聞きたいかも」


何と無く続きが気になって、あたしは先を促した。


「そう?」と言って、早川サンは話し始めた。