「どこに……されたの?」



「――え……?」



「あいつに、どこにキスされた?」



「……口と……首筋」



あたしは罪悪感から、少し俯き加減に答えた。



「のん、顔上げて」


その言葉に顔を上げると、誠からのキスが降ってきた。

でもそれは、いつもしてくれていた優しいキスなんかじゃなくて。


「んッ……誠」


唇が少し離れた瞬間に、やっと息をした。


その時に見えた誠の顔は、今にも泣き出しそうで……。


あたしの胸を締め付けた。




「俺、我慢しなくてイイ?」


そう言ってあたしの答えもきかないで、またキスを降らせる。



いつも優しい誠のこんな姿、初めて見た。



でも誠の舌は、手よりも温かくて、誠の体温に愛しさを感じた。


その舌が首筋に這われた時、もう叶チャンの顔は浮かんでこなかった。



誠の熱だけを感じる。




「誠……好きだよ」



あたしはその熱に涙と愛しさが溢れて、きゅっと抱き着いた。