「じゃあそろそろ帰るね」



「……うん」


「そんな寂しそうな顔すんなよ。連れて帰りたくなるだろ」

そう言って微笑み、あたしの髪をワシャワシャと撫でた。

「んー、やめてよぉ」

あたしはヘアスタイルを気にしながら膨れた。

「ごめんごめん。じゃ、また明日な」

誠はあたしの乱れた髪の毛を今度は優しく撫でてから、自転車に乗った。


「……ん、また」

あたしは撫でられた部分に触れながら、手を振った。


誠は微笑み、帰って行った。





今日は早く寝よう。

そーすれば目覚めた時にはもう明日だから。


早く明日になるから。




早く、誠に会えるから……