「そっそれより、ジャック・ダイヤモンドとは変わった名前ですね・・・」


ベトベトの手を払いのけ、話題を変えないとその手と握手るりことになる。


「・・・・よく言われます」


ジャックは数秒、優人を見つめると背を向け、ゴミの山を漁り始めた。


(なんだコイツ・・・)


優人はため息をつくと、辺りを見回した。


やはりゴミだけだ・・・。


ジャックの方に目をやるけど、ゴミを漁り中でこちらに見向きもしないから、勝手に部屋を見回ることにした。


茶の間を出て、キッチンにたどり着いた。


洗ってない食器だらけで、流し台の蛇口も錆びている。


足元には無くならないゴミ、キッチンには錆臭い匂いがする。


茶の間に戻って玄関の方にある洗面所の扉を開くと、思ったよりもゴミは少なかった。


しかし、最後に使われた日がいつかもわからず、鏡やトイレは汚れている。


奥の扉を開くと、風呂場だった。


これも使われた様子がない。


シャワーはカビだらけで湯舟は濁っている。


「・・・・・」


優人はすぐに扉を閉めて、ジャックのいる茶の間に戻った。


「あー あった。あった。」


ジャックは漁っていた、ゴミの中からノートパソコンをとりだした。


絶対、片付けたほうがいいと思う。そうなるんだったら・・・。