本当は写真が挟まっていたかなんて知らない。
希祈は、冬だっていうのに額の汗を拭う倉橋を見て、またにやっとした。
これはチャンスだ。
寒い中、校門でずっと倉橋を待っていたかいがあった。
ナイス!自分!と、心の中で自分を褒めた。
倉橋の弱みを握る。希祈にとって叶わぬ願いだと思っていた。
要領が良くて、頭の回転が早い倉橋。
いつか、いつも倉橋が希祈をバカにするように、希祈も倉橋をバカにしてやりたい!とずっと考えていた。
今日、その願いがかなう!
希祈はドキドキしながら倉橋の次の言葉を待った。
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