倉橋は、今自分が置かされている状況をやっと理解すると、すぐに希祈から顔をそらした。
高速瞬きをしたまま。
…ビンゴ!!
図星をつかれた倉橋は、必死に平然を装うとしてるが、明らかにうろたえている。
図星…っ!!
いつも倉橋にからかわれている希祈は、初めて倉橋の弱みを握ったことが嬉しくて、思いっきりガッツポーズをした。
冬の寒さなんて吹き飛んでしまった。
倉橋はもう春なんだなぁー。
クサレ縁でも幼なじみの倉橋。
その倉橋の彼女!と1人で勝手に妄想をしては、ワクワクしていた。
倉橋にもとうとう彼女が!そう思うと、素直に嬉しかった。
幼稚園からの付き合いである希祈にとって、倉橋の幸せは希祈の幸せでもある。
それはもちろん、倉橋は希祈のクサレ縁であり、幼なじみであり、親友であるからだ。

