「人が朝からセットしてきた髪を笑うな!」 倉橋は希祈のほっぺたから手を離して、相変わらず不機嫌そうに、セットしたという髪を触った。 「で、なんか用かよ。」 倉橋は、また大きなあくびを1つした。 あまりにも大きなあくびに吸い込まれてしまいそうだ。 希祈はいつも自分をばかにする倉橋に、むっと口をとんがらせた。 「落とし物!!」 希祈は今朝拾った生徒手帳を右手に持って、ひらひらさせた。