その思いは、自己嫌悪に陥っていた希祈の心に、ちゃんと伝わっていた。
今まで、他人に自分の弱い部分を見せたことが全くなかった希祈は、蓮の言葉に、今まではなかった思いを感じた。
この人は…すごくあったかい……
甘えてはいけない、我慢しなくてはいけない、そう思い、ずっと抱えてきていた重たい何かが、スッと消えたような気がした。
この人は…私が、黙ったままずっと我慢していることを知ってたんだ…
私を…見ていてくれていた…っていうこと…?
希祈は自分の鼓動がどんどん速くなっていくのがわかった。
泣くまで我慢することはない。そう言ってくれている蓮に、希祈は心の奥がじんわりと暖かくなった。
それと同時に込み上げる、苦しみと、胸が絞まるような痛み。
希祈は、息が出来なくなってしまうのではないか、と不安になった。
しかし…
不思議。
すごく苦しいのに…
苦しいのに、全然嫌じゃない…

