男友達。




昔から頼み事は
よくされるタイプだった。

良いように使われると
後々引き返せなくなるから、
面倒なときは断るべきだって
あたしは知っている。


「あー手が汚い…」


石鹸を泡立てていると、
グラウンドから聞こえる
サッカー部の声が響いていた。


水道場はサッカー部の練習場の
すぐそこにあるから
ゲームしてるのがよく見える。


「…あ」


今コートの真ん中で
ボールを蹴っている彼に気づいて

あたしはそのゲームを見始めた。