「ふぁあ〜〜〜 よく寝た〜〜」


「結衣?起きてるの〜?」


「起きてるよ〜お母さんこそ
準備大丈夫なの?」


今日は小学生最後の日
つまり卒業式

なんか実感ない


「ご飯下に準備できてるから、」


「は〜い」


お母さんが昨日ワックスを
かけすぎた階段を慎重におりる。

「結衣、ジュース何にする?」

「お父さんに任せる〜」


目玉焼きを食べてたら
出てきたのは、、、



「ぶっ!!!お父さん?ふざけてるの?笑」


「青汁は体に良いんだぞ?はっはっは」


しょうがなく私は鼻をつまんで
いっきに飲んだ。



「あら、結衣も青汁好きなの」

お母さんがいつの間にか
下に降りてきててびっくりした


「好きそうに見える?」

「お父さんね」


お母さんはそういいながら

お父さんをちらっと見た


「歯を磨いてこようかな〜」


お父さんはいつもそうだ

何かあるとすぐ逃げる


この間だって私のお気に入りのコップ
割った瞬間いなくなった


♪ピンポン♪ピンポン

「大変!菜美ちゃん来ちゃったわよ!」



だっさい黄色の学校指定の帽子をかぶって


小学生最後の、

「行ってきます!」


がちゃっ


「結衣!おはよ!」

「おはよ」

菜美今日も元気いいな

なんて考えてたら


「結衣髪どうしたの!!!!!!」

ん?髪?ああ

「昨日ばっさり切った」


「30cmは切ったよね!


「うん、おかげで髪乾かすの楽!」

他愛のない会話をしながら
私たちは学校のまえの
最後の坂をのぼり始めた。

隣を見ると、

えっ!?


「ぐすっ、結衣〜卒業式だよ今日
菜美、結衣とお別れ嫌だ〜」


そう言って菜美が泣いていた



「菜美、私だって嫌だよ」

でも、私立行きたかったの
ごめんね菜美。