「菜月、顔真っ赤だよ」


クスクスと笑う悟。


「だって……」


恥ずかしくなり、私は顔を背けようとする。


だけど、私の頬に触れている悟の手が、そうさせてくれない。


「ねぇ、キスしていい?」


そして、もう一度


悟は聞く。


今まで、キスは何度かした事がある。


その度に、悟は聞いてくれる。


まぁ、私が恥ずかしがっていても“キスをする”という方向に持っていくけど。


だから、聞く意味あるのかな?


なんて思ったりもするけど……


正直、私も嫌ってわけじゃない。


こうやって悟に抱きしめられたり、悟に触れられると


私も悟に触れたくなるし、それに、“もっと…”って思っている私もいる。


悟に抱きしめられ、悟にそっと、大切そうに触れてもらうと、私はすごく幸せな気持ちになる。