帰ると 昌子から電話がかかった。 最後通告であった。 かなり昌子を待たしていた。 相沢が仕事に行くのを、送り出したが 涙が溢れた。涙を隠して相沢の胸に凭れた。 首に手を廻すと、相沢は行けないなと言って 今履いた靴を脱ぎ、そのまま寝室に引き返し 櫻子の着ている部屋着のボタンを外した。 同じ生地のネグリジェを重ねて着ていた。 背広は櫻子が脱がした。 ネクタイは相沢が自分で取り、ズボンは君が脱がしてと言った。 完全に遅刻であった。