桜ちる


家中の明かりを点すと
貸し出していたと言うだけに手入れが良く
泊まれた。

その夜も土曜の夜も
相沢の育った家を掃除して
食事に外出するぐらいで、櫻子は満足していた。

翌日
叔父が書類を携えてやってきて会社の所有から
正式に相沢の手に戻った。
これからの納税の為に持ち株を手放した。

それは
完全に曽祖父創立の薬品会社から
手を引くことであったが、致し方なかった。