桜ちる


余り大きくはないが
どの部屋の家具にも白いシーツが掛けられて
まるでドラマに出てくる家のようであった。
税金が高いので
不動産屋に頼み、短期で何度も貸し出していたらしいと言った。

「久しぶりなんだ。一と月に一回だけ仏壇に参るだけで、
東京にいても住んでなかったからね。
十代は叔父の家で、働きだしてからは官舎でね」

「漸く自分の物と言えるようになったのね」

「そうなんだ。櫻子が嫌でなかったら。ここに住みたい」