桜ちる


櫻子は相沢から東京行きを誘われていた。
金曜日の夕方に発ち
日曜日の夕方の新幹線で帰る予定を組んでいた。

「叔父が相続を言って来てね。
 後見人を降りるから、自分で何もかもするようにとね」

相沢の家は薬品会社を経営していたが
思いがけずに両親が交通事故で死んだために
父の弟が社長になり
相沢は報告を受けるだけで、叔父夫婦に従兄妹が経営していた。
相沢が法科を目指したのも法律に明るくなるためであったことや、
昌子を相続から外した事を不快に思っていた事等を櫻子に告げた。