昌子の実家で相沢は歓待され、櫻子も紹介された。
近所からも二人が居る間何人もが訪ねてきた。
櫻子がトイレに立つとキクは相沢に小声で何か言い
相沢は暗い顔で遠くを見ていた。
櫻子が部屋に帰ると
キクは、警察が来た事を伝え、相沢の答えを待った。
「叔母さんは何も心配しないで下さい」
「そうだね。秀樹さんも警察官だった」
櫻子も相沢が警察官であることを忘れていた。
余呉湖に寄りたいからと言って早い出立であった。
湖まで二キロ近くあった。
山の暮れは早い。
湖への道は、野の草に覆われ、人が踏んだ跡が道になっていた。
