桜ちる


「まあ、男二人と一緒に車に乗ったら何があったか」

「そやな。キクさん大学に行く時、よう言うといたか」

近所の老人たちの言葉に頷いて
昌子の叔母は悲しそうであった。
すでに彼女達は結論が出ていた。
何かが起こり、みんなに顔を合わせられないので
出てこないと考えていた。

行方不明の男二人のことは考えてなかった。