桜ちる


櫻子のアパートの前まで送らず
少し手前で降ろした。
何も言わなかったというより、何も言えなかった。

相沢は一日中仕事に集中できず櫻子の面影に悩まされた。
きっぱり忘れるために
トレーニングに行きサウナで汗を流した。

そして
これは癖になると思った。

来週も
櫻子に会うために日曜日に仕事を持ち越さないようにしていた。