桜ちる


少し顔色を取り戻した櫻子は
珍しそうに部屋を見回していた。

シンプルだが男の部屋にしては、
片付いていた上に、何か暖かであった。

櫻子はぐったりソファに腰を掛けて相沢が出した
ジュースを飲んでいたが
吐き気らしく口を押さえてトイレに駆け込んだ。

「ごめんなさい。気分最悪で」

「車に酔ったのでしょう」
暫らくソファで横になるように勧めた。

「相沢さん抱いて」
唐突に櫻子が言った。聞いたことが理解できなかった。

「嫌」
相沢は答えられなかった。