桜ちる


櫻子を無事に帰す自信が無かった。
それに官舎でないことが歯止めにならない。
官舎を用意してくれたが、
三年前の離婚時に、二度と官舎はごめんだと思った。
職種が同じ官舎は、男にとっても居た堪れない気持ちになった。

「良いですよ。そこです」

阪急塚口駅の近くであった。
五階建てのマンションは新しい。

「何もないですが、肉とレタスにトマトがあります。何とかなるでしょう」

「相沢さんがどういうところに住んでいるのか見たら帰ります。
 それにお腹は空いてません」

唯の好奇心だろうと相沢は思った。