小森信二から電話が掛かったのは、 相沢と奈良に行って二日が経っていた。 「実は昌子が目撃されている」 「生きていたのね」 「ああ、君に連絡無いのか」 「ないわよ。それで忙しいのね」 「何故か聞かないのか」 櫻子は黙っていた。 木元敬の殺害現場から昌子らしき女性が出てくるのを 近所の主婦に見られていた。 現場は、木本の別荘の六甲であった。