櫻子は何も言い返さなかった。 相沢に送られてアパートに帰った。 「お茶でもと言ってくれないのか」 「どうぞお茶でも」 笑いながら、相沢をお茶に招いた。 昌子の兄である。 大丈夫と思った。 警備体制は万全であった。 櫻子は、 初めての訪問者の相沢の為にさり気無く警備システムを解除した。 相沢は気が付いたが、何も言わなかった。 都会の一人暮らしの女性は危険だ。