櫻子は帰りたくなっていた。
同期で仲の良かった美代子がもうお開きにと言った。
多分櫻子の顔を見ての事だろう。
美代子と二人で珈琲に寄った。
「何かあったら連絡してね。結婚とか」
「まさか。貴女が先よ。その時は教えて」
「本当に理由も無く、これだけ我慢してきて
今になって辞めるなんて信じられない。私一人になったわ」
「貴女はきっと主任になりそのうちに管理職になるのよ」
「それは御座いません。実は今年一杯で私も辞めたいの」
「彼氏にプロポーズされたの」
美代子は五年来の彼氏がいたが、相手の両親に反対されていた。
理由は三歳年下だから。
そのぐらいの年齢で信じられないと友人達は憤慨していた。
