桜ちる


相沢は誰かに見られている感じがしたので振り返ると、
穏やかに笑っている櫻子がいた。

櫻子は直ぐに消えた。
一瞬の姿を見る喜びがあった。

悲しんでいない。櫻子も相沢も。

君を知って豊かな人生になった。
毎年どこかで桜が咲き散る。
その時に姿を見たい。
毎年君の姿を見たい。
私もよ。
声が聞こえた。

冬の蝶が光りになって翔った。