「疲れたようだね」
「ええ、前はこれだけ丁重に観なかったから」
「どこかで休んでいるか。私は特別室の百済観音像を拝みたい」
「私もお供します」
櫻子は鏡池を見ていると疲れが取れた。
特別室の百済観音は彩色されていたのであろうが、
今では落剥の美と言うのだろうか、却ってそれが神秘であった。
相沢は櫻子を重ねて見ていた。
他の仏像に見られない女性的で柔和な表情と幽玄な感じが漂っている。
そして櫻子が観音見ているのを、少し後から彼女を見ていた。
何か胸に詰った。
言葉に出来ない何かがあった。
「これで帰れるよ。どこかでお茶にしよう」
相沢が、櫻子の手を引いた。
自然に手を繋いだままで出口を目指した。
「ええ、前はこれだけ丁重に観なかったから」
「どこかで休んでいるか。私は特別室の百済観音像を拝みたい」
「私もお供します」
櫻子は鏡池を見ていると疲れが取れた。
特別室の百済観音は彩色されていたのであろうが、
今では落剥の美と言うのだろうか、却ってそれが神秘であった。
相沢は櫻子を重ねて見ていた。
他の仏像に見られない女性的で柔和な表情と幽玄な感じが漂っている。
そして櫻子が観音見ているのを、少し後から彼女を見ていた。
何か胸に詰った。
言葉に出来ない何かがあった。
「これで帰れるよ。どこかでお茶にしよう」
相沢が、櫻子の手を引いた。
自然に手を繋いだままで出口を目指した。
