桜ちる


ヒステリーが起きそうであった。
着いたところは有名なホテルであった。
降りようとしない麻奈を引っ張り降ろして、
レストランに案内した。
眺望が素晴らしい。
水平線に消えていくヨットを眺めているうちに、
少し二人の間の空気も穏やかになった。

「無理じいはしないつもりだ。どうして断わらなかった」
「会いたかったから」

思いがけない返事に、相沢は返事が出来なかった。
かなり傷つけていたのだと思った。

「部屋をとっても附いてくるか」
泣きそうな麻奈を見て、相沢は手を挙げた。