ベットに腰を掛けた相沢の足の間に挟まれて麻奈は身動きできなかった。 「退院したら映画に行って、散歩したり、話をしたり」 麻奈が歌うように言った。 「馬鹿、そんなことよりしたいことがあるって知っているだろ」 相沢の太ももで締め付けられ、麻奈は甘いうめき声を上げた。 「何でか私には優しくないのね」 「君は櫻子とは違う。彼女は私と会ったときはすでに私の妹と死ぬ約束をしていたらしい。死を覚悟の美しさだったと今は思っている。だから、論外だと思ってくれ。私の心に入ってこなければ、君の望み通りだ」