桜ちる


麻奈は、相沢の隣に立ち、彼の呟きが聞こえた。

彼女は幸せともいえる。
不幸せともいえる。

相沢はまだ四十歳だ。
これからだ何もかも。
もし相沢と関係が復活しても、
こんな風に彼がどこか遠くを見ているのを、
横で見ることになるのだ。
折角お洒落をしても見ていないようだ。
花柄のブラウスを着てきたのだが見ていない。

しかし、何もないよりましだ。

長い孤独であった。

唯一の思い出が相沢であった。
このまま諦めたくはなかった。

友人で良い。