桜ちる


「なんか寂しそうで帰りにくいね」
「ほっとけないのが解るだろ」

小森の方言を笑いながら、沙希は明るかった。

「お義兄さんが変ったと思ったら、大恋愛をしたのだ」
「だからそう言っただろ」

「あの部屋は感謝の印なんだ」
「櫻子は一人娘だからな。我々に何かしたかったのだろうな」

「この間会った検事もお義兄さんを追いかけているのね」
「も。もしかしたらお前もか」

「よく言うわ。あんなことがあったのに」

沙希が顔を赤くして怒っていた。