桜ちる


食事は和食にした。
桜のシーズンだけに客で一杯であった。

「相沢さんは本当に変ったのね。私達田舎者は、
 貴方のようにフレンチ、イタリアンより和食がほっとする」

「良かった」

見た目も美しい懐石を櫻子が好きであった。
まるで相沢の心を読んだように、
美しいので崩すのが勿体無いと言いながら付け足した。

「彼女を思い出しているのね。少し失礼よ。少しだけど」

「悪かった」

相沢が隠しもしないので、却って本当のことが言えた。