七時に約束していた場所に早めに行くとすでに麻奈は来ていた。 「凄く綺麗よ。散る時が一番だと言う人の気持ちが解ったわ」 相沢は何も言わずに一時間余り呆然と桜が散るのを見ていた。 胸の痛みが激しくなって、一人になりたかったが、 そうもいかない。誘ったのは相沢であった。 「食事を予約してある」 駐車場までかなりの距離があった。 その間に相沢の心も平常に戻った。 昔の相沢は階段を一段飛ばしに上り、 歩調は豪快で風を切っていたが、 今の相沢はヒールの麻奈に合わせていた。