桜ちる


麻奈は、
十代に起こった深い傷を、話せるかもしれないと思った。
相沢が始めての男と言えないが、他にいなかったことも。

相沢は
弱さを見られることに何故か抵抗が無かった。
もう男性として回復できないことが、
却って石井麻奈を誘えたと思っていた。  
そして油断もしていなかった。
昌子の罪を告発するぐらい朝飯前のやり手検事であった。