桜ちる


相沢は躊躇いがあったが、
櫻子の望みを適えた。
一度だけ訪れた部屋であった。
誰も通したことが無いと言っていた。
今訪れることは、苦しくって出来ないが、
いつか櫻子の遺品をあの部屋に戻そうと思っていた。

一と月余りの暮らしに、
櫻子の物は相沢の部屋に溢れていた。捨てられなかった。