桜ちる


相沢は小森が居ることを忘れたようにウイスキィーを呷っていた。

相沢は泣いていた。
泣きながら飲んでいた。
完全に壊れた相沢がいた。
寝室のドアが開いて、柔らかそうな若草色のガウンがベッドにあった。
一瞬女が居ると思ったが、置かれているだけであった。
廻りを見回すと、確かに一緒に暮す婚約者が居た。
それが櫻子であったのを直ぐに理解した。

二人の写真や見覚えのある櫻子の服があった。