魂の旅

「こらっ、隼人。

ティッシュで遊んじゃダメでしょ」

お母さんの顔と声は、いつもの優しいお母さんじゃない。

少し怒っている。

僕は、なぜ、いつもの優しいお母さんじゃないか、

分からない。

その時、精神が言った。

「あーあ、やっぱり怒られた。

いつもお母さんの優しい顔が見たいんだったら、僕の言うことを

聞くんだな」

僕は、お母さんの優しい顔を いつも見たいから、

精神の言う事を聞くことにした。

精神が言った。

「世の中にはル-ルがあるんだよ」

僕が聞く。

「何?そのル-ルって」

精神が言った。

「お母さんにとって、手のかからない お利口さんに

なることさ」

僕が言った。

「僕は、いつもお母さんの笑っている顔が見たいから

手のかからないお利口さんになる」

精神が笑いながら言った。

「まあ、がんばるんだな。君には難しいかもしれないが」