僕には 君達が 『身体』と呼ぶ物と

『精神』と呼ぶ物と

『心』と呼ぶ物を持っている。

身体は 大きく伸びをする。

するとお母さんの声がする。

「あっ、又動いた」

身体と僕はお母さんの喜ぶ声が

聞きたくて 何度も手を伸ばしたり足を

伸ばしたりする。

僕と身体はお母さんが大好きだ。

精神はまだ小さくて 心もまだ小さい。

身体だって初めはとても小さかった。

君達が「細胞」とか「核」とか呼んでいるものが

「遺伝子」によって分裂を繰り返した。

そして「手」とか「足」が出来た。

すっかり身体が大きくなり これ以上

おなかの中にいても成長しないという時に

なったんだ。

いよいよお母さんやお父さんに逢える日が

やって来た。