「瞬・・・」
静かな空気の中で彼女の声がした
「リリ?あれ?透けてる・・・?」
透けているというか光っている。
何が何だかわかんなくなった
「ごめん 、私、あなたを連れていけない・・・」
「・・・っなんで?」
意味がわからない。
だって彼女は死神なんだぞ
「お願い!!」
彼女の叫びがアトリエ中を響かせる
同時にオレは彼女の状況を理解した。
でもどうして彼女がこうなってしまったのかは全然わからない。
「なに・・・?」
オレの問いかけに彼女はまっすぐオレを見た。
「瞬、あなたは生きて。死なないで。
生きてそのあったかい絵を描き続けて」
『生きて』
そんなこと言われるとは思わなかった。
無理だよ。
だってオレはもうすぐ死ぬから君が来たんだろ?
なのにオレより先に消えるなんてそんなのあんまりだ。
でも…
オレはゆっくり頷いた。
すると彼女は笑った。
大きな、キレイな涙を流して
「ありがとう・・・」
彼女が一気に光りだす。
オレは耐え切れなくなって彼女を抱きしめた。
オレの腕の中、彼女は消えた。