彼氏の余命を知ってる彼女。



「…やっと普通に笑った」


「え…?」


クスクスと笑っていると、いつの間にかアズキは手を止め、私の顔を優しい表情で見ていた。


アズキの言った発言に、私は聞き返してしまう。


「…ヒナ、始業式の次の日からなんかずっと空元気だったから…。何かあったかは聞かないけど、今日くらいは息抜きしてほしかったんだ」


テーブルに肘をつき、手に顎を乗せて、寂しそうな笑顔で呟くアズキ。


そのアズキの姿に胸がズキッと痛んだ。