彼氏の余命を知ってる彼女。



いつも口うるさいけど、ちゃんと私を見ていてくれているんだ…。


──ありがとう。


心の中でお母さんにお礼を言い、私は家を出た。



* * *


「美味しいー!やばいー!」


私は家を出てから結構近所にあるアズキ家に寄り、二人で駅前のケーキ屋さんに歩いて向かった。


新店舗だからか中は満員で、ギリギリで座れた。


アズキは五種類のケーキを頼み、私はショートケーキを。


一つ目のチョコレートケーキを口にいれた瞬間、アズキは満面の笑みで叫んだ。