彼氏の余命を知ってる彼女。



「え…」


「私、驚いて繋いでいた手を離してしまった。唖然としながら私は、私と対称に下へ落ちて行く彼を見つめたわ。

落ちる時は何故かスローモーションに感じてね、その時、彼は最期大きな声で私に叫んだ。

『お前は生きろ!』

って──。

…だから、今私がここに居るのは、彼が私の命を救ってくれたお陰なの。

ヒカル君がヒナを守ってくれたように──」


お母さんの過去の話を聞いて涙が溢れた。


「…っ、ヒカルのこと…気づいていたの…?」