「覚えているよ」 あの時はそれ程気にはしなかったが、何故ただのガラス玉が部屋に置いてあるのを見て、お母さんが私にそのことを聞いてきたのかが不思議だった。 そう言いながら小さく呟くと、お母さんは息を吐き、その場にしゃがみ込んだ。 そして口を開く。 「…あのガラス玉は… “死神”から譲り受けたもの──?」 お母さんの発言を聞いて自分の耳を疑う。