彼氏の余命を知ってる彼女。



────数年後。


私は高校を卒業して、春から大学への進学が決まっていた。


上京するため、部屋の荷物を段ボールに詰めていると、お母さんが開いているドアをノックした。


「何?お母さん」


お母さんの方へ目を向けずに、私は作業しながら言う。


「…ヒナが大人になってから言おうと思っていた事があるのだけど、それを今日言うわ」


いつにも増して真剣な声だったので、私は手を止めてお母さんの方へ顔を向ける。