彼氏の余命を知ってる彼女。



………まさか!!


『…うん、俺はその時決意したんだ。ヒナを守る為なら色んなモノを犠牲にするって。

──そんな事、ヒナは喜ぶはずがないってわかってるよ。悲しむし、俺を軽蔑すると思う。…だから、俺なりの罪滅ぼしとして、俺の命も捨てる事にしたんだ──』


「そんな!」


『…きっと、今、ヒナは泣いているんだろうなぁ…。その涙を俺は拭えなくて悔しい…。前に身代わりの方法を死神に聞いた時にある事も聞いた。…輪廻、生まれ変わりについて。

俺が死んでも生まれ変わってまたヒナの元へ行こうとしたんだけど、身代わりの方法を使うと大罪らしくて、もう永遠に生まれ変わる事が出来ないんだって。

…寧ろそれでよかった。

ヒナ、俺は自己満足かもしれないけど、ヒナの命を守った。だから、一つ約束してほしい。

…ヒナはこれから新しい男と新しい道を歩んで幸せになって。それが、最期の俺との約束。

俺の事ばかり引きずったら、俺がヒナを恨むからな!…なんて。

…二十日あるヒナの命を今日救った理由は、ヒナはこの熱で死ぬかもしれないと死神に忠告されたからなんだ…。本当に何も言えずに一人にしてしまってごめんな…。

生まれ変わる事は出来ないけどきっといつかまたヒナに逢える気がするんだ。

だから──…、また出逢う事が出来たら──…』