彼氏の余命を知ってる彼女。



…そうだ、あの時、何か自分の中で突っかかるものがあったんだ。


初めてあの世界へ行った時、死神が言っていたあの言葉。


『──あ、この人物は君の近くにいる男だ』


これから死ぬ人の名前しか記載されていない本しか持っていない死神が、“私”を知るはずがないんだ──。


だけどこの時、死神は“私”を知っていた。


それはデス・ブックに私の名前が記載されていたから──。