彼氏の余命を知ってる彼女。



お母さんはそう言って私の頭を軽く叩く。


「全然ですよ。すみません、お願いします」


車に乗り込みながらヒカルはいつもの笑顔で言った。


エンジンをかけ、車を出発させ、運転手のお母さんが口を開く。


「ヒカル君は本当に礼儀正しいわね。ヒナったら行儀悪くて参っちゃう。この間のお泊まりの時、迷惑かけなかった?」


次から次へと私の悪口が出てくるお母さんに私は具合悪いながらに苛立ちを覚える。